昔から、人間は、挑戦することが好きだった。それは、自然への挑戦であり、人間が人間に対する挑戦だった。自分のもつ能力の限界の壁に、幾度となくチャレンジしたのである。そのたびに、どれだけの人が大地に倒れ、土をなめただろうか。また、どれだけの汗を流し、歓喜の水で喉を潤してきただろう。やがて、そんな人間の自然の欲望に、ルールという知恵をプラスして、スポーツが誕生する。それから今日まで、あらゆる種類のスポーツが生まれ、多くの人が楽しんでいる。気の遠くなるような、長い命の興亡の歴史のなかで、人間は、スポーツを通して人間自らを鍛え、知恵と勇気と喜びを勝ち取ってきた。スポーツそのものもまた、その中で磨かれ、現代に脈々と受け継がれきたのである。
たとえば、野球、始める動機はさまざまであるが、まずボールに慣れ親しむことが先決だ。そのためにはキャッチボールが一番いい。ボールの握り方、投げ方、相手の胸にしっかりと投げる。ロードワークをしたり、鉄アレイを使って体力を作る。バットで素振りを欠かさずやる。グラブの扱い方を覚える。一見、単純と思える基本動作を、反復練習をする。その繰り返しの中で、バッテイングの技術や、首守備の技術が磨かれていく。練習の中で、自分の体力を鍛え、自分の技術を磨き、自分の能力を限りなく高めていく。(=個人が独自に持つ能力)一方、練習も一人ではできない。そこには、自分以外のみんながいる。みんなと一緒に行動をしなければならない。(=他人と一緒にやる能力)試合は、言ってみれば、この二つの能力のどちらが欠けても勝てない。
この二つの能力をスポーツは、自然発生的にそれをやる人に要求する。このスポーツの持つ特性こそ、スポーツが教育であることの証である。
スポーツは、君が君と戦い、君が他人と一緒になって相手と闘う場。共に闘った者にこそしか分からない喜びや、人間のぬくもり、辛くても頑張ること、チャレンジする勇気、チームワークや、勝負の呼吸、手を抜いた練習が試合で失敗すること…を教えてくれる。体を鍛え、人間が人間になることを教える。何より、人間としてのマナーを教えてくれる。
飽食の時代といわれる今。
豊かすぎる文明の中、あらゆる情報が溢れる中。自分で選び取ること、工夫すること、道具を大切にすること、おもいきりすることの難しい時代。スポーツは、現代の子どもたちにとって、神様が与えてくれた、すばらしい贈り物といえないだろうか。
そんな中、小さな人間がわずかな道具を駆使して大自然に挑むスキーは、他のどんなスポ-ツよりも合理性を追求するスポーツである。力を入れることより、ムダな力をうまく抜くことにより精神を集中させ、全身を支える柔軟なひざが、スキーのすべてをコントロールする。緊張の一瞬、雪を舞台に、思いきり楽しみ、安全のための心構えや、ル-ルを学び、スキー技術を習得する中で各地から集まってくる友と語らい、大自然の摂理や雄大さ、厳しさを学び、豊かな個性の育成を目指します。
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